デアゴスティーニ安土城 「築城つれづれ」

風に吹かれて 〜こころのおもむくままに・・・
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中島みゆき「夜会」2/2のこと

数週間前、待望の「夜会」に行ってきました
タイトルは2/2(ニブンノニ)
この作品、初演はなんと17年前の1995年、翌年がVOL.8「問う女」で、
その翌年もう一度2/2の再演、そして今回が3回目の公演でした
初演版のDVDを観たのですが、今回は曲も舞台装置も大幅に変えてありました

出版社の美術編集部に勤める「莉花」(中島みゆき)と日本画家の「圭」の物語、
一応そういうことなのですが・・

[ざっぱなストーリー]
・圭のアトリエ
出版社は地味な「圭」の絵を以前ほど評価してくれません、毎回書き直しです
それを伝えるのは莉花の仕事、そんな訳で度々圭のアトリエへ出入りします
でも、莉花は彼の絵のタッチが気に入っていて、そして数少ない理解者です

やがて二人の距離はゆるやかに縮まって行きます
何気ない会話にも幸せを感じるアトリエでのかけがえのないひとときです

ところがそんなとき決まって自虐的な「別の人格」が突然顔を覗かせます
心の奥底に棲むもう一人の自分が
「オマエは幸せになんかなってはいけないんだ」とささやきかけます
なぜか別の人格が邪魔をし、自身をたびたび苦しめるのです

やがて、そのおぞましい自分に何もかも支配されてしまい、そして確信します
「そう!やっぱりわたし、もともと幸せになんかなれないんだ!」
もう「狂気」です

すべてに絶望した莉花は圭には何も告げず、ベトナムへと旅立ちます

・ベトナムの安ホテル
あてもなく小さな町の安宿に身を置きますが、熱病に冒されます
気弱になってしまった莉花はホームシックに・・
あげく、フラフラとさまよっていた市場でひったくりに遭い犯人を追いかけていて
交通事故に遭ってしまいます
(莉花の背後でヘッドライトが激しく光って・・暗転・・) 
     ・・・・ここで20分間の休憩・・・・

・ベトナム竹製品加工場
事故のときたまたま居合わせた竹製品加工場の女工場主とその娘が莉花の様
子を見かねて家へ連れ帰り介抱、そののちも家族のように接してくれます
やがて傷も癒え元気を取り戻した莉花は、「この地で生きてゆこう」と決意します

一方、圭は莉花の手掛かりを求めて厳冬の福井、新潟を訪ね、莉花にだけ明か
されなかった出生の秘密を知ります
方々探し回ったあげく、ようやくこの小さな町で莉花と再会、新潟の産院で莉花
をとりあげたという看護婦長の話をします

「貴女は双生児の妹、でもお姉さんはこの世に生れ出ることはなかった」
「でも、姉さんがこの世に出てこれなかったのは貴女のせいじゃない」
「自分のへその緒が首に巻きついて・・・」
思いもしなかった突然の話に莉花は驚愕し、うろたえますがますが、
やがて今まで自分を苦しめていた「何か」がぼんやりと見えてきます

自分が幼いころ、蚊帳の中で夢うつつの中で聞いた
「莉花がもっとはやく出てくれさえしていたらあの子は死なずにすんだのに・・」
「あの子のせいで茉莉は・・」
「シーッ!莉花に聞こえるわよっ!」
「大丈夫、ぐっすり眠ってるから・・」の肉親のひそひそ話

夢の中の会話とも現実ともつかぬ、幼児期の頃のあのおぼろげな潜在的記憶が
フラッシュバックして、これまで莉花を苦しめていたのです

圭の話を聞いていくうちにゆっくりと「呪縛」から解き放たれる自分を感じ・・      

おおむねこんなストーリーでした
コンサートなら途中MCが入ったり、ミュージカルなら曲が終わったとき拍手した
りしますがこの「夜会」はそのどちらにも属さない全編音楽で埋め尽くされた夢の
様な空間、本当に不思議な世界でした

舞台いっぱいの竹林の中、着物姿の莉花の姉(茉莉)の「魂」がぼーっと灯った
ちょうちんを持って、うす暗がりの中をこちらへ歩いてくるシーンが印象的でした

素晴らしい演出
素晴らしい舞台美術
素晴らしい演奏(お馴染みの面々がみんな奈落の底で熱演しておりました)
素晴らしい歌声(でも知っている曲は「二隻の舟」の1曲だけ)

次また大阪でやることがあったら是非行こうと思っています
会場ロビーの様子
コンサート等は6時半か7時開演が普通なのですが「夜会」はいつも8時が開演
終わったのが10時半すぎ名塩サービスエリアでうどんを食べたあと少しゆっくり
して、結局、家にたどり着いたのは1時前でした

「安土城」も「時計」も止まったまんま、
そのうち・・・そのうち・・・で「時」だけがいたずらに流れております















 
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